2006-12-28 ■ 詩 残んの月が地球に落っこちる前に僕らは窓に灯した蛍光灯を消し旅に出ようドアを静かに閉めその静寂を壊さぬよう残んの月が地球に落っこちる前に僕らはあの路地裏を通り有余依涅槃へ続くと言うあの汽車に乗り旅に出よう僕の好きな原色の黒い夜が煙りけぶる前に僕はピカピカと光る街灯かりや香水の匂いを漂わせる女の人たちの赤やピンクのスパンコールの色を昼はっきりと思い出せるよう僕はこの眼を燃やし、焼き付けておこう眼を閉じたらこの景色が直ぐに目の前に広がるよう眼を閉じたらいつでもこの世界に逃げ込めるようドアを静かに閉めその静寂を壊さぬよう僕らは窓に灯した蛍光灯を消し旅に出よう残んの月が地球に落っこちる前に