喋れば喋るほどに、孤独に孤立していきました。
お母さん、貴方は、まったく正しい人でした。
私が、黙っていれば、ただ、ただ、黙っていれば
良かったんでしたよね。
そうすれば、”普通”に見える、んでしたよね
貴方は正しい、全く正しい。
正しいですね。
だって、わたしは
こうして喋れば、喋るほどに孤独に孤立していくのだから

君は孤独な幽霊の話を 覚えているかい

そう、僕が 夢でみた 孤独で不幸な幽霊

そう、僕が夢で約束した 孤独で不幸な幽霊

僕は見たよ あの夢の あの夢、幻の続きをさ

僕は覚えているよ 君を「絶対に幸せにしてみせる」って

あの時は背中を向けていて 君の顔は髪の毛の中だった

僕は君に言った「君のこと、ずっと想っていたよ、この夢まで辿り着けるまで

随分、時間がかかってしまったよ、僕は君を絶対に幸せにするって約束したのに

君に会うまでにすら、こんなにも時間がかかってしまうなんて」

僕が夢で約束した 孤独で不幸な幽霊は

僕に振り返った その顔はとても僕に似ていた。

幽霊は、長い、長い髪の毛を少しだけ、かきあげて

陰鬱な不幸の風を吹かせて、ほんの、ほんの少しだけ

微笑んだような気がしたんだ。

僕の幻覚かもしれない。

だけど陰鬱な不幸の風から 確かな温かみを感じたんだ

僕の幻覚かもしれない。

それでも 僕はいいとしよう

声がすきです。

特に淋しいときに、誰かと喋りたい、誰かの声を聞きたい。
特にそう思います。
最近の私の心は、淋しさで満たんです。
そんなとき
声を聞くと少しだけ安らぎます。
だけど、人は独りですし、
私は誰にとっても必要のない自分、ですから、
いつも、独りぼっちで、
また、私は自分から、そのように、仕掛けてしまいます。

少しでもすきな人に嫌われたくなく、
自分のことを包み隠し、仮面上でしか生きれなく
間接的にしか自分のことを伝えることができません。

孤独の罠を自ら仕掛けてしまうのです。

そんなとき、自分の声があるのに気づきました。
音読していると、自分の声が自分の耳に語りかけ、
ほんの、ほんの、ほんの、ほんのちょっぴりだけ孤独を癒してくれるのです。
だから私は音読をやめません

”私”が、”私”から孤独になってしまわないように。

彼女は笑った
”そんなに 無理して 優しくしてくれなくて、よかったのに、ハハハ”
そう言って 
そして彼女は笑った


彼女の笑顔は
そのものは
”幸せ”という名の象徴のようだった
彼女の笑顔は
彼女の笑顔だけは


そして彼女は
”幸せ”という名の象徴を浮かばせながら
”大丈夫よ、私のことなんて、ほんの一瞬、ほんの数秒で忘れ去れるんだから、
ハハハ”
”そうよね、もう、とうの昔に 置き、捨ててきたのよね ハハハ”


とても明るい声だった。
太陽にも劣る明るい声だった
彼女の声は
彼女の声だけは

サーカスは幕を閉じ 道化師たちは白塗りの 仮面を落として なっていく 顔に 子宮から 這い出た 顔に/
カーニバルも 終わり 鳴り止まぬ タンバリンの音も あの、サイレンが去るように 遠くに 段々と、 遠のく 賑やんでいく 人々も 子も 夜を灯す 露店たちも 消えていく まるで 幽霊の灯火のように/
理強いの 苦笑いの笑顔は 薄く ほんのりと微笑みに変わり 蝋燭をそっと消すように、そっと 消えてく 消えていく 心地よく、それは あたたかく溶けていく/

前略。私の話を、私の発言を、聞いて下さってらっしゃいますか?私はあなたと友達になりたいと思っており、私の話を聞いてもらいたいと思ってます。私の話、お耳に届いてらっしゃるでしょうか。
私が此処で私のことを話せないのは、あなたが見てくださってる確証がないのと、それと、何かは分かりません。あなたにとって私の存在がどういう位置にいるのかは分かりませんが、私にはあなたの耳が遠く、遠く思えて仕方がありません
あなたがあの場所で、静かに見守って下さっていた時、私は幸せでありました。
だけど、あなたはもう、私を見向きもして下さらないの ですね