寒い、

寒い、寒い、

冬が来た

僕は嘔吐の跡

僕は嘔吐の跡

忘れ去られた胃液の跡

置き去りにされた 喰い物の欠片

僕は

渇いた痕のなき 涙の跡

寒い、

寒い、寒い

冬が来た

幾等着ても

着込んでも

いくら下着を着込んでも

痛風の風が突き刺さる冬が来た

僕はサーカスの跡

僕はサーカスの跡

サクラが吹雪いた跡の花びらの破片

寄り添い地上に降りれば振り払われる

花びらの破片

地面に落ち、固く尖った靴に踏まれる

花びらの破片

樹木に咲くことなく

見上げられ

美しいと魅入られる事も無く

ただ

ただ、ただ

散って其の日を彷徨う吹雪く華

決して名前が轟かぬ

雪のように溶けて流れる吹雪く華

決して名前が轟かぬ

雪のように溶けて流れる吹雪く華

落ちていく・・・・
どんどんと
どんどんと
どんどん・・・・と