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筋肉男と小さな道化師の物語り
小さな顔のアザミ顔は
2万リラで筋肉男に引き取られ
白い道化師が似合うアザミ顔
ジェルソミーナ
筋肉男は道化の癖に
旧友の道化にきばを剥き
鉄を砕く怪力でその道化を殺した
鉄を砕く男
名前は忘れてしまった男
小さな心のアザミ顔は
時計の針と一緒に頭がこわれた
愛するこわれた乙女より生活を選んだ筋肉男は
自分の愛の片割れが
一人孤独に冷たくなった事を
街で知り
海で一人で悲嘆に暮れる
「ジェルソミーナ」と亡霊の彼女の名前を呼んで
哀しいのは
キミが孤独の2人分だと言う事
ジェルソミーナ
全てが終わってしまう前に
全てが孤独になってしまう前に
筋肉男は無き亡骸に涙を落とす
君の破片さえも
傍に戻ってない哀しみを噛み締めて
せめて君の骨だけでも愛したかった
ジェルソミーナ
孤独だって平気だけど
孤独になりたかったけど
君と孤独になりたかったけど
君と孤独だったから平気だったけど
ジェルソミーナ
君の小さな骨と孤独になるのは
嫌だと叫ぶ僕を見おろして
「ダメな人ね」と笑っておくれ